Passion(パッション)〜受難を情熱に変えて〜〈Part 1〉

医局の大先輩である前田先生の半生をつづった一冊が発売されました。早くも同業者内で話題の本となっていますので、こちらでも紹介したいと思います。

才能あふれる帰国子女の先生は、東大医学部の在学中に解剖学の教科書を執筆(この時点ですごい)、そして卒後は放射線科医として輝かしい業績を築かれているすばらしいお方です。順風満帆にみえる超人のような先生ですが、その人生はまさに波乱万丈。

幼少期の海外生活での苦労、帰国後に患った重症の喘息から大学時代には酸素が手放せない生活を強いられることに。病状も落ち着いてからは結婚、そして出産と幸せ一杯となられましたが、30代後半でまさかの肺がんが発覚。この本の内容は、画像診断専門医である先生がご自身の肺がんを偶然みつけた日から始まります。

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苦難がたちはだかっても常に前向き

闘病記、半生をぜひまとめては、と勧める声が多くはじまった先生のブログ。こちらに公開された内容が今回の一冊につまっています。またたく間に書き上げられましたが、類まれな文章力でストレスなく読み進められます。

https://erikospassion.hatenablog.com/

がんに限らず病気になると人は落ち込んでしまうし、余裕がなくなってしまうものです。どんなに厳しい状況になっても、いつも前向きに闘病されながら仕事も家庭も全力、周囲を元気にしてくれるすごいバイタリティです。そして、今でも大学院生の研究をほぼ一手に引き受けて指導してくれているカリスマ指導医です。何から何まですごい女性なので、その半生記を読み解くことで得ることはたくさんありました。何より前向きで強い気持ちがもらえます。

先日の日本医学放射線学会(JRS)では化学療法の合間のスケジュールを縫って、若手放射線科医に向けての英語論文を書くための教育講演で壇上に。日々少しずつの努力を積み重ねて、論文を書く有意義な時間を過ごそうというメッセージをしっかり受け取りました。そして、学会終盤にはオーケストラの一員として、その優れた演奏力まで見せてくれました。

医師だけでなく万人に手にとってほしい一冊

すでに同業者内では評判となり在庫不足に陥っていますが、Amazonでの直接販売も始まりましたので是非ご一読を。すでに病院の売店にも並び、患者さん達の間でも広まっていきそうな予感がします。

今すぐにでも続きが読みたくなってしまうPassion。今後も先生がご活躍されて、続く第2部以降の内容が充実していくことでしょう。

  • 東大理三、東京大学総長賞、北米放射線学会最高賞の輝かしい経歴の裏にある、 海外生活と帰国の苦労、中高時代からの超重症喘息、医学部時代の在宅酸素療法導入。 健康を取り戻し結婚、出産するも37歳で肺がんに……。 相次ぐ受難(passion)を情熱(passion)に変えて走り抜いてきた女医の、渾身の半生記!
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