見落としがちな栄養成分表示のラベルを読もう【ダイエットがはかどるポイントを紹介】

健康な生活にはよくコントロールされた栄養の摂取が必要です。

いま何の健康問題もなく暮らしている人であれば、日常生活の栄養を見直すことで、より健やかな人生が送れるかもしれません。

もちろん、病院に通う患者さんであっても栄養バランスの重要性はかわりません。薬や手術などで直接的に医療を提供するだけでなく、個々人にあわせたカロリーを適切な栄養バランスでとってもらうことが大切です。

今回、世界一のがんセンターMDアンダーソンから面白い記事がでていたので紹介したいと思います。お題は「栄養成分表示ラベルの読み方」です。

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栄養成分表示ラベル、あなたはちゃんとチェックしたことがありますか?

食品・食材を買うとパッケージ脇にはカロリーなどの情報が書かれています。この欄を「栄養成分表示ラベル」といいますがあまり注目されていない気がします。

袋の裏やわきについているので、気にもされない方が多いでしょう。しかし、実はこの栄養成分表示、ササッと読みとるだけで、その食品の本質を知れちゃいます。

アメリカのFood and Drug Administration (FDA)は、ほとんどすべての食品について栄養成分表示をするよう指導しています。1袋ごとにどれだけの量が入っているか、なんの栄養素や材料が入っているかなど。

今回は、この栄養成分表示ラベルを読むちょっとしたコツを紹介してみます。

右下バーコード脇にあるのが、栄養成分表示ラベル

ステップ1 ― 1人前の量を確認

Step 1 – Check the serving size and the Percent Daily Value.

まず最上段には1食あたりの量が書かれています。1カップの量、重量で表示されますが、ときにはクッキー1枚などの単位のこともあります。

この1食あたりの量(serving size)の下には、「1パッケージあたりの量(how many servings are in the package)」も書かれています。

栄養についての情報は基本的に1人前ごとの量となります。パッケージ全体の量ではないので注意が必要ですね。もし1袋、1箱の全体量が知りたいのなら、入っているのが何人前かを確認して掛け算をしないといけないというわけです。

ステップ2 ― 1人前あたりのカロリーをみる

つぎにやることは、1人前のカロリーを確認することです。もしあなたが体重を落としていきたいのであれば、摂取カロリーを減らしたいはず。このカロリー欄さえ確認すれば、1人前たべたときのカロリー数が把握できるのです。

ただし、カロリーだけに注目するのでは食品の全体像がみえてきません。この後に続く各栄養素の量、それぞれのメリットについてもおさえておきたいものです。

ステップ3 ― 多すぎる飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、塩分にご注意

  • 脂肪(Fat) ― 食品に含まれる脂肪は、2種類。飽和脂肪酸、そしてトランス脂肪酸。これらは心臓病のリスクとなるため、米国がん研究協会 (ACIR)は脂肪の摂取量を減らすように勧めています。先ほど紹介した% Daily Valueでいえば、20%超えたら高脂肪食、逆に5%をきるなら低脂肪食といってよいでしょう。
  • ナトリウム(塩分) ― ACIRはナトリウム量を1日2.4 g未満(食塩6.1 g相当)におさえることを推奨しています。これはすなわち塩分を控えてということですが「ナトリウム量≠塩分量」なのでご注意ください。ナトリウム(塩分)過多となれば、血圧が上がりやすくなり、胃がんにもなりやすくなります。コツとしては、1人前のカロリーとくらべて2倍以上のナトリウムが含まれるものは避けるべきです。過度に加工された食品などは塩分が強いことが多いのでご注意ください。

※ 輸入品であれば便利な% Daily Valueも記載されている

その食品がアメリカなどからの輸入品であれば、栄養成分表示ラベルの右側には、1日の必要量にしめる割合(Percent Daily Value)が書かれています。

1日2,000 kcalとる方にとっての、食材1人前で満たすことができる各栄養素の割合ということになります。たとえば、食物繊維の% Daily Valueが4%とあれば、1日2,000 kcal摂る成人の必要食物繊維のうち4%が1人前たべると摂取できる、という話です。

ステップ4 ― 炭水化物の量をチェック

糖質制限ダイエットは例外ですが、通常1日の摂取カロリーの45%-60%は炭水化物でとるべきです。

この炭水化物は、食物繊維と糖質の2つに分類されます。

  • 食物繊維 – 繊維が豊富に含まれるので満腹感が得やすくなります。それなのでカロリー摂取量を減らしやすくダイエットに有用です。1食3g以上の食物繊維が入っているとよいとされます。
  • 糖質 – 少量であれば糖分はいい栄養なのですが、ついとりすぎている成人が多いので注意しましょう。糖分をたくさんとれば、簡単に太りますし健康リスクも高まります。砂糖だけでなく、ハチミツ、シロップなどにも気を配りましょう。アメリカ心臓協会 (AHA) の推奨では、1日の砂糖は、成人男性は36g、成人女性は24gにするべきとしています。

ステップ5 ― 十分なたんぱく質とビタミンを摂ろう

  • たんぱく質 – 乳製品、肉、豆類などに含まれ、身体の治癒や成長にかかせない栄養素。前述のAICRは赤身の肉は週510gまでにとどめ、ハムなどの加工肉は避けるよう勧めています。たんぱく質の多くは、できれば豆類から摂りたいものです。
  • ビタミン – 多くの栄養成分表示ラベルで、ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、鉄などについても表記しています。多くの成人でこれらの栄養素が不足しています。できればサプリメントでなく、食事からビタミンや微量元素をとっていきたいものです。

栄養成分表示ラベルをみながら賢く買い物していきましょう

長々と書いてきましたが、ここまで読んでくれた皆さんは栄養成分表示ラベルへの理解がだいぶ深まったはず。スーパーで何気なく手にとった商品でもラベルを確認してみましょう。

なんとなく身体にいいから、というイメージだけで買っていたものが本当にそうなのか。ダイエット目的に飲んでいたものが意外とカロリーが多かったなんてオチすらあるかもしれません。健やかな生活に近づく第一歩を踏み出しましょう。

参考: https://www.mdanderson.org/publications/focused-on-health/Howtoreadanutrtionlabel.h12-1590624.html

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