インポーターの戦略もあるのでしょうが数年前から日本でも流行ってきているな、と感じるフランチャコルタ。イタリアのスパークリングワインの最高峰です。
北イタリア・ロンバルディア州のフランチャコルタ地区で生産されたものだけが名乗れる発泡ワインで、シャンパーニュ地方で作らないとシャンパーニュと呼べないのと同じ理屈ですよね。そして、フランチャコルタの製法は瓶内二次発酵によるメトド・クラッシコ(古典的製法)なのでシャンパーニュと同じ作り方なんです。
国内ではエノテカが推すべラヴェスタが有名になりつつありますが、現地ロンバルディア州には他にもオススメ銘柄があります。
今回ミラノに行く機会があったので、すぐ近くにあるフランチャコルタのワイナリー2つを巡ってきました。まず訪問したモンテ・ロッサについて、今日は報告します。
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家族経営ながら実力派のフランチャコルタ生産者
ミラノから高速で小一時間、イゼオ湖の南に広がるフランチャコルタ地区に向かいます。道中は遠景にアルプスも見えます。高速を降りたあと、緑豊かな斜面にある狭い道を登っていくと、目的にモンテ・ロッサに到着です。案内役のマダムが笑顔で出迎えてくれ、早速ツアーが開始となります。
モンテ・ロッサは赤い山、という意味ですが本当に緑たくさんのワイナリーというイメージ。家族経営のためか、これまで見たことのあるワイナリーに比べるとややこじんまりとした作りに見えました。
瓶内二次発酵までをくわしく見学
畑は大半がシャルドネ、すべて手積みしていきます。これを1時間以内に収穫から圧搾まで丁寧に行うことで香りがよいワインが作られる、とマダムが熱く説明してくれます。以前つくっていた赤や白ワインをやめ、泡のみに集中することで、イタリア最高峰のDOCGに恥じない品質を保っているのだとか。
畑を見つつ、圧搾機や瓶内二次発酵までの様子、泡の強さを損なわずにどうやってボトルにコルクを入れるかなど詳細に解説してくれます。
充実のテイスティング
工程の見学が終わると、いよいよお楽しみのテイスティングとなります。眺めのいいテラスでも試飲できますが、この日はイタリアではありえないほどの寒い一日でしたので室内でのテイスティングを希望しました。
広いテーブルに案内されると、脇にはオーナーであるエマヌエーレ・ラボッティがビリヤードの球に見立てたナンバリングされたワイヤーキャップ(ミュズレ)と映る写真が飾られています。このナンバー、製品ごとに振られた番号ということでした。おもしろい試みですよね。
マダムが口の広い専用のテイスティンググラスを複数並べ、手早く抜栓されたフランチャコルタが注がれていきます。
- COUPE’ BRUT NATURE…非常にドライな味わいです。
- P.R.BRUT… バランスがよく、値段からは想像できない完成度。
- CABOCHON…最高級の逸品。複雑で豊かな香り。
- EXTRABRUT 2011…ドライですが華やかな香りもあります。
4人で4本、すべて抜栓してくれてどんどん注いでくれます。大抵の日本人ならかなり酔っ払ってしまうのではないでしょうか。気分良く試飲しながら、それぞれの違いを説明してもらえます。味もプレゼンテーションも良かったので、参加者全員が気に入って複数本を購入することになりました。
残念ながら大手ワイナリーのようにヤマト運輸などが入っているわけではないので、現地購入して持ち帰る必要があります。ちなみに、今回はP.R.そしてEXTRA BRUT 2011を1本ずつ買い、さらに帰国日にはミラノでカボションを追加購入しました。帰国便でスーツケースが重量オーバーしてしまったのも致し方ないですね。しかしながら、それくらいオススメできるフランチャコルタです。