【新型コロナウイルス(COVID-19)】医者が教える身を守る方法、パンデミックへの備えなどまとめ

久々の記事となりますが、今リアルタイムに世の中を賑わせているコロナウイルスについて少しお話してみたいと思います。

国内感染者も増える中、今月になりイベントや会合が軒並み自粛されるようになりました。さらには今日になって公立小中学校の3月一斉休校に踏みきる決定までなされました。共働きの子持ち世帯が多くをしめる都市部の家庭はいったいどうすればいいのでしょうか。

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もし新型コロナウイルスにかかっても8割以上は通常の風邪症状

ここまで騒がれているコロナウイルスですが、もとはよく流行っている普通の風邪の原因ウイルスです。特に健康上問題ない、若い方が感染してもほぼ軽症ですむことがわかってきました。

心臓や肺に持病がある方、高齢者などでは重症の肺炎になることで命に関わる場合があるので、社会として感染を防ぎたいというわけです。

治療としても特別な方法があるわけではありません(特効薬やワクチンがない)。水分がとれて、カロリーのあるものが口にできるなら自然に治癒するのを待てばいいのです。38度以上など熱があるなら解熱剤(カロナール)などを飲んで自宅で解熱するまで療養されるのが正解でしょう。

とにかく発熱や風邪症状がある方は、自宅で休んで、他の人にうつさないような配慮をするべきなのです。もちろん家族にうつさないようにマスクをするのも忘れずに。今やコロナウイルスの感染が絶対ないといえる人はいないのですから、症状があるのに出歩いている時点で社会の脅威となってしまうのです。

 

予防の正解は、スタンダードプリコーション(標準予防策)=手洗い

巷の情報に振り回されて、あわててマスクを買い漁る必要はありません。事実、マスクだけではコロナウイルスを完全に防ぐことはできません

マスクをするべきは風邪症状などがあって咳をしている人(咳エチケット)であって、無症状の健康な人ではありません。今回の騒動でマスクが完全に品薄になっていますが、必要な人に行き渡るよう冷静な対応が求められます。この機に乗じて、買い占めたマスクを不当に高い値段で売る商売はいかがなものかと思います。

とにもかくにも、手洗いと咳エチケット

手洗いと咳エチケット、これだけをきっちり行いましょう。これらは通常のかぜ、インフルエンザから身を守るのとまったく同じです。いつも手洗い、咳エチケットがなされていればこれらの感染者を大幅に減らすことができるでしょう。

咳がでる病気はなんとなく空気を介してうつっていきそうなイメージをもたれがちです。しかしながら、空気を介して感染する病気は3つくらいに限られます(麻疹、水痘、結核)。つまり、今回のコロナウイルスも基本的には接触感染、飛沫感染で広がっているのです。ウイルスが付着した手で自分の口や鼻をさわることが1番の感染リスクなのですから、やはり一番の対策は手洗いとなります。

もちろんアルコール消毒も効果的(さすがにウォッカはどうかと思うけど…)

医療関係者には常識ですが、もちろんアルコール消毒は効果的です。手が洗えない場面ではアルコールを使って除菌するのは適切な対応でしょう。

このことが報道されてからアルコール消毒液も飛ぶように売れて品薄になってしまいました。アルコール度数90度を超えるウォッカまで価格が高騰してきていることから、尋常でない焦燥感をもった方が多いことがわかります。

そして、あとは基本的な体力が落ちないように食事と睡眠を欠かさず、規則正しい生活を送ることが何よりの対策となります。

医療者用N95マスクは、結核などの空気感染をふせぐためのマスク

医療者は、結核などの空気感染もする病気に対応するときにはN95マスクという装備をします。これは顔にくっきりと痕がつくくらいピッタリと装着し、ウイルスや細菌をシャットアウトできるものです。ただし、このN95マスクをつけていると大変息苦しくなるのでずっとつけておくというのは現実的とはいえません。実際、上野駅界隈でN95マスクをつけてショッピングにいそしむアジアの方をみかけましたがすごい体力だと思います。

また、間違っても肺炎などを発症した方につけさせてはいけません。大変息苦しく、症状のある方がつけていられるような代物ではありませんので。ウイルス拡散防止のため患者さんがつけるべきは通常のマスクなのです。

 

感染しやすい環境にいくことは当分ひかえておきましょう

楽しみにしていた今週末の福岡での学会も急遽中止となってしまいました。4月の一番大きい関連学会も中止です。福岡については直前中止もあり得るとあえて航空券をおさえないでおきましたが、現地の飲食店やホテルは大打撃でしょう。すでに中国客のインバウンドに頼っていた旅館が倒産してしまったという報道もありましたね。

しかしながら、大流行となってしまうリスクが高まっている今日現在。人が集まる場所には極力いかない方が賢明でしょう。事実、学会だけではなく、各種イベントはもちろん病院内での小規模の会議や送別会なども次々と自粛する方向に動いています。

万一パンデミックとなった場合に備えて、必需品の備蓄をしておこう

一週間くらいは生きていける水や食糧を

感染拡大に歯止めがきかなかった場合など、社会としての機能が一時的に落ちてしまう可能性があります。すでに一斉休校のあおりで働くママさん達が仕事にいけないという事態が間近にせまっています。また、マスクや消毒用アルコールなどのように一回の報道で一気に品薄になるものも今後でてくるかもしれません。

少なくとも一週間は生きていけるように、水や食糧の備蓄をはじめられることをオススメします。近場のスーパーなどではすでにカップラーメンなどが飛ぶように売れ始めていました。

常用薬は多めにストックしておく

高血圧や糖尿病の薬はもちろん、対象となる人にはこの時期欠かせない花粉症の薬など常用薬は十二分に準備しておきましょう。いざ手持ちが少ないタイミングでコロナウイルスやインフルエンザがパンデミックとなっていた場合、処方をうけるために医療機関に出向くこと自体がリスクとなります。

実は優秀な非常食プロテイン

それから盲点かもしれませんが、プロテインは非常に優秀な備蓄食となります。常温保存ができて、必要なタンパク質が相当ふくまれている優秀さ。余ったら筋トレして飲んでいただいてもいいので、ぜひこれを機にプロテインを自宅においてみるのはどうでしょうか。

 

軽い症状なら自宅で休もう(重症なら医療機関にまず問い合わせを)

NTTデータが社員に感染者がでたということで、しばらく同一ビルにつとめる全社員をテレワーク(在宅勤務)とし通勤をさせないことを決定しました。

高熱や感冒症状がつづくからといって、事前の問い合わせなしに時間外に医療機関を受診されると感染が拡大してしまうリスクを高めてしまいます。

また、インフルエンザの発症早期など医療機関に来る必要性があまりない状態もありえます。その段階で病院にくることで、コロナウイルスふくめ新たな感染のリスクを背負うことはご本人にとっても大変な危険性かと思います。ぜひ迷われたら遠慮なく、医療機関に問い合せいただければと思います。

コロナウイルスを特定する検査の限界

自分が熱が出たらぜひ検査をしてほしい!と思われるかもしれませんが、インフルエンザの迅速検査のような早く結果のでる検査は現状ありません。

新型肺炎に罹患(りかん=かかった)したかの確認には、PCRという手間と時間、コストがかかる検査をすることになります。しかしながら、この検査も絶対ではなく、検査で陰性だからといって感染は否定できません。つまり、検査陰性=安心ではない、ということになります。

職場で求められるからと躍起になって検査をして、陰性だったからと胸をはって出勤される方がよほどリスクとなります。一部の人は検査陰性でも感染している可能性があるので(これはインフルエンザでも同様)。

また、コロナウイルスの感染が証明されたとしても現状特効薬はないので対症療法のみとなります。

重症の肺炎で、(治療がウイルスとは異なるので)他の細菌によるものかの確認など、医療者が必要と判断した場合に限られていいのです。一部メディアに寄っている医師は全例検査を!などと謳っていますが、現状その必要はないし、応えられる医療資源もないわけです。

この点についてはよくまとまった記事がありますのでご参照ください。

 

まさかここまでの事態になるとは当初だれも思っていなかったであろう、コロナウイルス騒動。このタイミングが国内での大流行(パンデミック)を抑えることができる最後のチャンスかもしれません。不要不朽の外出はひかえ、適切な対応をして感染リスクを減らしていきたいものですね。

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