お鮨にならんで数年前からバブルとなっている印象の天ぷら。レベルの高すぎるお店が年々増えてきているという業界ではないでしょうか。
そして、そんな中でもリッツカールトン出身の大将が麻布十番にオープンしたたきやさんは最高峰のお店。その評判の良さ、予約困難さは折り紙付きです。今回貴重な席にお招きいただいたのでしっかりと味わってきました。
お店は麻布十番駅の出口から徒歩2分ほど。飲食店の多く入るビルの2階にあります。2回転制のため、すこし早めについた場合は店内の待合で待機することとなります。

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いざカウンターへ。始まったのは珠玉のコース。
時間になりカウンターに案内されます。内装は無駄を削ぎ落とし、嫌味のない高級感がただよう雰囲気です。
まずは前菜から。たきやさんは和食としてのレベルが突き抜けています。
- 淡路の鱧を梅肉、蓴菜と合わせて
- 白えび、キャビアの塩味で(葉っぱの下)
- 赤ウニ
- 京鴨の生ハム、枝豆などをあわせて
- 賀茂茄子の揚げ浸し、海老

全員がそろったところでいよいよ天ぷらのスタート。
車海老、そして海老の足。こちらは卓上のお塩で。
天つゆと大根おろしももちろん用意されるのですが、この大根おろしが見たこともないくらいキレイな球体仕上げ。
そして、とうもろこし。甘みたっぷりの夏の味覚があふれ出します。
キス。こちらは天ぷら定番のお魚ですよね。サクッとした衣のなかにはふっくらとした身がしっかりと入っています。

北海道産のウニ。海苔で包まれたウニは、しっかりとした旨味と上品な酸味を兼ね備えています。素人的にはこれを揚げること自体がすごいテクニックに思えます。


茨城の新れんこん。この時期のれんこんはでんぷん質が少ないので、サクッとした食感。かむ音が心地よいほどです。

次は、たちうお。こちらには、柑橘果汁とダシを合わせたちり酢をつけていただきます。
見事な鮑(あわび)。揚げる前にその見事な姿を回覧して、撮影する時間まで設けてくれました。
天ぷらにする間に、葛をあわせた肝のソースも準備して素晴らしい一品に仕上げてくれます。残ったソースにはご飯をすこし、混ぜることで贅沢なリゾットになるわけです。

お口直しには、焼きフルーツトマトに毛ガニをあわせて。

そして、たきやのスペシャリテ。シャトーブリアンの大葉巻きのお出ましです。
卓上にトリュフ塩が準備され、大葉で包まれたシャトーブリアンの天ぷらが出来上がります。ステーキなどとちがって焦げをつけて旨味を出すことができない天ぷら。それならば最高の肉質を蒸し料理のように閉じ込める、というコンセプトです。


お肉のあとは貴重な山口県産の白オクラ。かつお節、醤油をうまく使って天ぷらにしてくれます。おどろくほどの粘りが隠されていました。
さらに2度めの海老。コース終盤で出されることでまた違った味わいとなります。
最後はご飯とデザートとなります。
まずは毎日獲れたてで届く徳島県産の鱧(はも)をつかった天丼。目の前で骨切りを見せてくれます。シャリシャリっと心地よい音をさせながら切っていく様はまさに職人芸。これと松茸を天ぷらにして、薄味のダシをたっぷりとかけて天丼の完成です。だいたいの人は満たされてきている段階になるので、ご飯の量は調整してもらえます。

デザートは、スイカのゼリー。最高に美味しいスイカが入っている冷製デザートでさっぱりとします。

〆はわらび餅をいただきながら、緑茶です。

お会計後退店しようとすると大将がエレベーターまで笑顔でお見送り。味とボリュームはもちろん、ホスピタリティまで最高級のお店でした。