2019年、令和元年は実力派の和食屋さんがいくつもオープンされている当たり年だそうです。先日うかがった御成門はるさんと並んで初年度から評価の高いのが、人形町にある川田さん。
完全紹介制の井雪さんで長年研鑽をつまれた川田さんが満を持して開店されたお店です。
お店があるのは人形町の交差点から少し入った路地。飲食店が入ったそう大きくないビルの地下1階です。
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ワンオペで仕込んだとは到底思えない圧巻の料理たち
少し早めについたのですが、より早くついた人もふくめ予約時間の19時まで店外での待機となります。どうやらカウンター7席はいっせいスタートの様子。
2名予約2組と、お一人様2組の計6名でこの日はスタートとなりました。
まず一品目はにゅうめんです。少し肌寒なくなってきたので、と暖かな一杯でお腹を整えます。さらっと出されましたが、お椀の中には松茸と鱧がありました。
そして胡麻和え。こちらは百合根といんげんの組み合わせ。
そして、ここでばちこがきました。
なまこの卵巣に塩を加え干しあげてつくる高級珍味ですよね。たまらず日本酒を頼もうとしましたが、おちょこで一杯はサービスでついてくるというニクい演出がありました。
秋を感じさせる天ぷらは舞茸に銀杏を添えて。香り高い舞茸は絶妙な揚げ具合。根底にある調理の実力が垣間見えるお料理ですね。
さらに海老芋の天ぷらも揚げたてで追加してくれました。
暖かな蕪蒸し(かぶらむし)。和食の醍醐味ともいえるメニューで、すりおろしたかぶに鯛などの白身魚をあわせ蒸した料理です。この日の蕪蒸しは、中に穴子、そしてぐじ(甘鯛)が隠れていました。はじめての組み合わせですがバランスばっちりです。個人の評価ではありますが、蕪蒸し・オブ・ザ・イヤーに認定させてもらいました。
お刺身は、ウニと鯛。2切れずつではありますが、どちらもしっかりと旨味があり非常にレベルの高いお刺身です。
お椀はエビと蓮根の組み合わせ。とても繊細ながら満足できる出汁を感じつつ、身体が温まります。
焼き物はマナガツオの西京焼き。ややもすると独特の味の強さがでてしまう西京焼きですが、川田さんのつくる西京焼きはそのいい部分だけを抽出したような洗練された味わい。マナガツオのやや強めの食感もしっかりと残してあります。
スペシャリテのひとつ、松茸のフライ。豪快なカットの松茸がなんとフライに。食べごたえもしっかりある幸せになれる揚げ物です。
お料理のラストは大根と鯛の炊合せ。ビジュアルは素朴ですが、実力をいかんなく発揮された上品な一皿。優しい味わいでほっとさせてくれます。
男子も大満足できる、美味しすぎるご飯もの怒涛6連続
最後はお食事になります、という川田さんからのアナウンスがありました。美味しかったけどご飯一杯でしめてお開きだなぁ、と少しさみしい気持ちになりかけました。しかししかし、予想だにしない展開が待っていました。
まずは松茸ごはん。秋の味覚、風味を贅沢に感じながらしみじみとする一膳。
つづいてはイクラ丼。大人になってその美味しさを再認識したイクラ。やはり最高の仕込みがなされると見た目、味ともに突き抜けたものになりますよね。
まだまだご飯ものはつづきます。
鯛飯。こちらにはオリジナルの胡麻ダレを合わせて。これはこれでいいなぁ、さすがだなぁと思わされつつ炊きたてご飯と楽しみます。
TKG(卵かけご飯)です。しっかり仕事をされた卵黄が乗ったシンプルながら味わい深い逸品です。当たり前ですが、自宅のTKGとは一線を画すレベル。
さらにちりめん山椒。これも非常にレベルが高い、香りが抜群の一杯でした。
最後は海苔の佃煮を乗せて。こちらで一通りです、とのこと。おかわりをもらっているお客さんもいましたが、自分たちはちょうどよくお腹いっぱいとなりました。
〆のデザートは作りたてのわらび餅です。とても軽やかなきなこと合わせて数口でいけるので、ご飯もののあとでもストレスなくいただけました。
令和元年、大注目の和食さんのひとつ
最後のご飯ものラッシュはまったく予想していなかった展開でしたが、実は川田さんでは定番の流れだそうです。季節を感じる最高の和食をいただきつつ、最後は怒涛のご飯もので〆るスタイル。誰しもが満足できるのではないでしょうか。
じき予約困難となってしまうであろう超実力派なので、ぜひ早いうちの訪問をご検討ください。
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