実は自分のルーツがある秋田。その地に全国的に名が知れた名店がいくつかあります。今回それらお店の貴重な席にお招きいただいたので、時間をつくって遠征してきました。
旅程のほとんどを飲食店めぐりに費やしたのですが、その中でもメインイベントは日本料理たかむらさんへの訪問です。先だって発表された食べログアワード2020では3年連続となるゴールドを受賞。さらにBest regional restaurantsにも選ばれた、押しも押されもせぬ名店です。
例年になく暖冬、かつ雪のない秋田市内大町を歩いていきます。大通りから人気の少ない道を進んでいくと明かりが見えてきます。
そこにあったのは御目当てのたかむらさんの看板、そして奥にある玄関です。
貸し切り会でしたので、たかむらさんが笑顔で迎えるカウンター席に案内されます。背にあった窓際には数々のトロフィーが飾ってありました。
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たかむらさんが織りなす至高のコース
日本料理として、まずは八寸からスタートです。数の子、すっぽんの卵、山葵と春菊のゴマ寄せ、ローストビーフ、卵焼きなどなど盛り沢山です。
ちょうど節分の時期ということで、黒豆や茶ぶりなまこもありました。なまこは鬼の金棒みたいな見た目からこの時期に食するようです。
秋田県産のカブのお餅。上にたっぷりとキャビアが載せれれています。このモルドバのキャビアは、たかむらさん曰く、高級とされるベルーガキャビアより美味しいもの。あまり食べ慣れない食材ですが、確かに繊細な味わいです。
アンジャッシュ渡部さんも大好きという、秋田産アンコウの肝。この全く臭みのないあん肝は、空気をまぜてふわふわにしてあるのでさながら日本酒にあうスイーツのようです。満足できる量で出してくれるので、花山葵づけでリセットしながら何度も旨味を感じられます。
お椀はすっぽんと黄ニラ。大好きな具材ふたつということで期待が高まりましたが、その期待を軽々と超えてくる旨味。身体もほっこりして、この後の御馳走に準備万端となりました。
お刺身は、ツブ貝、きじはた、そして本まぐろです。正直お刺身を食べにくるお店ではありませんが、もちろん素晴らしいクオリティ。味わい、歯応え、香りなどがそれぞれ違うので日本酒も進みます。
スペシャリテは、予約必須の比内地鶏の首皮焼きです。仕入れでも一羽五千円はくだらない、高級な比内地鶏の首の皮に身のお肉をパンパンに詰め込んだオリジナル料理。これを目の前で焼き上げることで、想像をはるかに超えるジューシーさが実現されます。思わず美味しいと言葉がこぼれてしまいました。
新玉ねぎのすりながし 。「まぁ、オニオングラタンスープ」ですねと、たかむらさん。こちらは以前来られたお客さんの要望でできたメニューなんだとか。真ん中にいるのはお麩ではなくこのために作ってもらったというバゲット。スープしみしみで食べると幸せになれます。
赤穂の牡蠣を白煮で。アメイラトマトとウルイのおひたしと合わせて一皿に。次なるメインの前に一回お口をさっぱりさせてくれますね。
そして、メンチカツです、と出されたのがこちら。カツオだしにウスターソースなどを使う、大正時代の作り方だというソース餡をかけていただきます。県内産の黒毛和牛・錦牛を使ったお肉が味わい深い逸品。上に乗っているのは海老芋のチップスです。
ズワイガニの雑炊でシメます。この日は県内男鹿でとれた1.2kgのズワイガニを贅沢につかった一杯で、お漬物はやはり秋田のいぶりがっこです。雑炊はもちろん、いぶりがっこも上品な味付けで食べ疲れせず完食できました。
こおり豆腐。江戸料理のデザートということで、寒天で周囲をかためた和菓子。氷がなかった時代に寒天を氷にみたてたのだとか。それ自体はごく控えめな甘さで良い食後感に一役かってくれます。
足をのばして訪問する価値のある、ホンモノの一軒
その名はずいぶん前から知っていたものの、やっとうかがうことができたたかむらさん。噂に違わぬ料理とおもてなしでした。決して近いとはいえない、秋田のお店ですが足をのばす価値はとてもあると思えました。
行ってみたい方は会員制のお店となっていますので、行ったことがある周りの人に相談してみてくださいね。