日々おいしいご飯をもとめていると素晴らしいご縁にめぐまれることもあります。先日年内の店じまいが決まった某名店にうかがった際、ご一緒した方が絶賛されていた「ラチュレ」さん。すこし話をきいただけでいいお店に違いないと思って早速訪問してきました。
表参道駅、渋谷駅どちらからも歩いていける青山通り沿いの小さなビル、そこの地下にお店はあります。お店の中はほぼ満員でにぎわっていましたが、スペース的にゆとりのある、清潔感のある店内なので窮屈さはありません。
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青学すぐそば、都会の喧騒から切りはなされた空間
きっちりテーブルセットされた席に案内され、この日のコースがはじまります。
室田シェフと奥様とご挨拶させていただき、その後乾杯となります。
質、量ともに大満足のフルコース
ここからは室田ワールドというべき、圧巻のコースが展開されました。
まずは、【アミューズ1】鹿の血のマカロン。卵白のかわりに鹿の血を使い、中にも鹿のブーダンノワールを挟んだというスペシャリテ。
多少みがまえてほおばると、まったく臭みはなく口の中に上品な酸味と旨味が広がります。
【アミューズ2】ハト。鳩のソーセージに自家製ケチャップをあわせてあります。ラチュレの定番メニューのひとつ。
【スープ】鹿のコンソメ、贅沢にトリュフもかけていただきました。中にはカメ、原木しいたけも忍ばせてあり変化が楽しめます。
【前菜1】 サバのマリネ仕立て。ナス、ホワイトセロリも合わせた一品は、赤ワインとイチジクのビネガー、凍らせたバターミルクのソースでいただきます。
コースに緩急をつける爽やかな一皿です。
焼き立てパンもおいしくて、おかわりしないわけにはいきません。バターを塗るのに使うのは、なんとハト型の置物のしっぽ。ただの置物ではないんですね。
【前菜2】タルトジビエ。伝統料理のパテアンクルートは、ダチョウのフォアグラ、アナグマ、イノシシのコンソメゼリーだとか。それぞれのもつ旨味がぎゅっと閉じ込められています。お皿には、自慢のプルーンやあんずのジャム、なめこのピクルスが添えられています。
【メイン1】 シーフードのパイ包み焼き。まさしくシーフード祭り、パイの中身はオマール、ホタテ、そしてハタです。それぞれの風味がしっかり残っていながら、スープ・ド・ポアソンのスープとベストマッチ。このスープが素晴らしいのでパンも進んでしまいます。
【メイン2】 京都の鴨。シェフも絶賛する肉質、厚みのある鴨肉をローストしての一品。柔らかく、そして厚みもしっかりある鴨肉はおいしさバツグンです。
正直メインのお肉が一番普通というフレンチも少なくないのですが、この一皿は格別。赤ワインにばっちり合います。
一緒にだされた野菜たちはラチュレ自家農園で作られたものだとか。とくにヤングコーンにはびっくり。その甘み、旨味が予想以上でうならされました。
【デザート】 ホワイトチョコの半球状の器に入っているのは、白桃、そしてジャスミン、バニラを仕込んだ白味噌アイス。上にはサクサクのココナッツメレンゲが載せられています。
また、グラスでいただけるワインもセンスがいいものが揃っている印象でした。
【プティフール】 最後は、ご近所で焙煎しているというラチュレ専用?の美味しいコーヒー、そして焼き立てのムースベリー入りのフィナンシェです。
このコーヒーは本当においしくてびっくりしました。
ハレの日に伺いたい揺るぎない名店
ご紹介いただいての訪問ということもあり、非常によく対応していただきありがたかったです。大満足のコースでしたが、ジビエの季節にはさらにすごみが増すのだとか。
次回はぜひシェフの本領が発揮されるジビエのシーズンに再訪したいところです。
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