レジェーラでミットを新調しました【平成最後のオーダーミット】

ずいぶんと長い年月、野球というスポーツをしてきました。この競技で欠かせない道具のひとつがグラブ(グローブ)です。グラブの話となるとあつかい方だけでなく、はじめの購入から日々のメンテナンスまで、初心者は気づかないようなコツや個人のこだわりがあります。

そんなグラブへの愛情がだんだんと深まって、少し経済的に余裕ができるとかなりの人がグラブをオーダーするようになります。学生野球では規定上できなかった配色や刺繍ができるのも人気の要因ですが、実はオーダーグラブは各社の最高品質モデルであることが多いので性能もいいことが多いです。

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ポジションごとに異なるグラブ

野球をしない方にはあまり知られていないことですが、グラブの型はポジションごとに大きく異なります。そこに個人の好みにあう細かな違いが入ります。

  • 投手…握りが見えないウェブ。投げる勢いをつけやすく、早いピッチャー返しを処理しやすい大きいグラブ。または邪魔にならない軽いグラブ。
  • 捕手…投手の強い球を捕るため革の厚いミット。
  • 内野手…ボールの持ち替えが早くできるように小型のグラブ。一塁手に限っては捕球がメインのため、ファーストミットを使う。
  • 外野手…細かなプレーはない分、少しでも捕球範囲が広くなるように大きなグラブ。

(その時々のチーム事情もあるのですが)ぼくは学生時代から継続して、捕手と外野手としてプレーしてきました。特に捕手については、グラブがキャッチャーミットとなり特殊性があります。

色々なプロ野球選手を参考にして、大学はミズノプロ、草野球になってからはハタケヤマをつかってきました。ハタケヤマはプロ野球の捕手でシェアNo.1のメーカーです。このハタケヤマ軟式モデル、大好きな選手のモデルで、型はすごくいいのですが問題もあります。すぐ使うために購入直後に湯もみという作業をいれているため経年劣化が早く2年内にひび割れてくるのがネックでした。

あるオーダーグラブ専門メーカーとの出会い

そろそろ3代目のハタケヤマ軟式ミットもくたびれてきました。そろそろ新たなミットを買わないとな、またハタケヤマにするしかないかな、と思っていた頃に運命の出会いがありました。

昨年末に参加した複数チーム合同イベント。ここに参加されていた豪腕投手の方が見たことのないレジェーラというメーカーのグラブをはめていたのです。ぼくが手にしていた練習用グラブとどちらが小さいかという話になり、その方のグラブをはめさせていただくことができました。

これがとにかく小さくて、やわらかくて、そして軽い。しかしながら芯がないというわけではないので不安感がない不思議なグラブだな、と思いました。興味が湧いてきたので調べてみると、このレジェーラは「関東のみの対面販売」でしか手に入らないことがわかりました。ますます興味がひかれTwitterから代表の原島さんに連絡をとらせていただきました。

原島さんとの熱い打ち合わせ

打ち合わせ当日、約束した場所にいくとすでに男性がひとり待たれていました。この方が原島さん、レジェーラの代表です。

バッグからものすごい数のサンプルを出され、机の上に並べてくれます。まさに圧巻。まず目につくのがメーカーの看板でもある内野用グラブの充実ぶり。同席したチームメイトは迷わず内野グラブを発注していました。

そしてミットの打ち合わせに入ります。すでに使っているハタケヤマのミットを見せ、その問題点を話してもらいます。

  • 軟式モデルではコストの問題から革の質が大きく損なわれている。(たとえ硬式で定評あるメーカーでも)叩いて伸ばした革を使うので品質がいいとは言えない。
  • グラブのメンテナンスで塗っているローションは汚れを溶かしているが同時にグラブへのダメージを与えている。
  • 柔らかくしようと懸命に塗られるオイルは、むしろグラブを劣化させ重くしてしまう。

これに対してレジェーラのメーカーポリシーは明快でした。

  • プロ野球選手が使うジュテルレザーを惜しみなく使う。これは叩いて伸ばす作業がないので革が生きている、オイルを塗る必要がない。
  • 湯もみでなく水もみで仕上げるので、劣化が少なく、使うほどに真価が発揮される。
  • レジェーラ=イタリア語で軽い、という意味。軽くてハンドリングしやすいグラブを売りにしている。
  • グラブ故障などトラブルには購入後ずっとサポートしていく。

メーカー設立の熱い想いと、サンプルを手にはめたときの衝撃がすごかったので迷わずオーダーをお願いしました。内野グラブに定評があるメーカーですが、取り急ぎくたびれてきているミットの代替わりを、ということでミットをお願いしました。配色や刺繍についても時間をかけて話を聞いてくれます。例えば、流行りでウェブを選ぶとグラブ特性が変わるとか、ここに刺繍をすると使用感に影響がある、とか。

待ちに待ったオーダーミットが到着

Twitterで完成したと連絡をいただき、料金を急いで振り込みました。オンライン銀行だったのが良かったのか、振込後すぐに「振込確認できたので発送させていただきます」とメッセージをいただきました。このあたりの対応の迅速さ、丁寧さは原島さんの人柄がなせるわざなのでしょう。

ついに自宅に届いたのは真っ黒いダンボール箱。開封すると、領収書と黒いグラブ袋につつまれたミットが入っていました。

中からでてきたのはオーダーした通りの真新しいミット。あまりゴテゴテの配色が好きなわけではないので黒と茶色系を主体にまとめてみました。

レジェーラのミット型はオーソドックスなものと、メーカー独自のポケット極浅のものがあります。今回は軟式使用を前提とするので前者がいいだろう、というアドバイスをうけて標準タイプとなっています。

やはり皮がいいです、実際。たとえは微妙かもしれませんが、高級なランドセルのようないい香りがします。もしくは高級車の革張りの車内といったほうがイメージしやすいかもしれません。実際ロールスロイスで使っている革のような製法なんだとか。

もちろん即実戦での使用はきびしいですが硬式球まで対応できるミットとしてはありえないほど柔らかいです。それでいて光沢としっかりとした型が保たれています。文句なくいいミットですよね。

史上最長のゴールデンウィークが終われば、また公式戦も始まります。このミットでしっかり捕球できるように仕上げていきたいと思います。実際の使用感や変わっていくさまは追ってお伝えしていきたいと思います。

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